オーストラリアの首都はキャンベラです。
が、悲しいことに、あまり知られていません。最大都市のシドニーを挙げる方が多いと思います。私も縁もゆかりもなければ、シドニーだと勘違いしていたでしょう。
首都といえば、東京、ロンドン、パリ、北京など、高層ビルが立ち並び、道路は渋滞、どこに行っても人・人・人。
そんなイメージがありますが、キャンベラは一味も二味も違います。
では、なぜそんなキャンベラが首都になったのでしょうか。
キャンベラはどんな首都？
オーストラリア国内でも、キャンベラに地味な印象を持つ人が多いです。
シドニーやメルボルンに比べて人口も少なく、いわゆる観光地でもありません。政府の主要機関が集まっているため、政治と教育の街というイメージがついています。娯楽が少ないため、若者にとっては少々つまらないと思われるかもしれません。
でも、観光スポットはありますよ！
鳥取県より少ない人口！
さて、オーストラリアの首都にはどのぐらいの人が住んでいるのでしょうか。ちなみに、東京は約1,400万人です。
キャンベラはなんと、約46万人！日本の都道府県で最も人口が少ない鳥取県の54万人よりも少ないのです。
別名「ブッシュ・キャピタル」
キャンベラで高層ビルと言っても、一番高い建物は113mのマンション（Belconnenにあります）で、人混みや渋滞とは無縁です。
ストレスフリー。私がキャンベラを好きな理由のひとつです。
また、面積の半分以上が国立公園や自然保護区で「ブッシュ・キャピタル」と呼ばれ、写真の通り、自然豊かな緑が多い街です。
なぜキャンベラが首都になったのか？
ここから本題です。なぜそんなキャンベラが首都になったのでしょうか。
話は100年以上前に遡ります。
シドニーとメルボルンで首都争い発生
1901年にイギリスから独立してオーストラリア連邦が誕生した際、二大都市シドニーとメルボルンでどちらを首都にするか争いが発生。
収集がつかなくなった結果、新しく首都を作ることになり、両都市の中間に位置するキャンベラが選ばれたのです。
おもしろい歴史ですよね！
首都にするための都市計画
その後、キャンベラを首都にするために、都市計画の国際コンペが実施されました。そして採用されたのが、アメリカ人建築家ウォルター・バーリー・グリフィン（Walter Burley Griffin）の案です。
こちらがキャンベラの中心地です。中心にあるランドマーク「バーリー・グリフィン湖（Lake Burley Griffin）」は人工の湖で、彼の名前を取って名付けられました。湖を中心にして、南北に街が造られ橋でつながっています。
シティ・ヒルとキャピタル・ヒル
このグリフィン湖の北側は「シティ・ヒル（City Hill）」、南側は「キャピタル・ヒル（Capital Hill）」と呼ばれます。
北側にはキャンベラ・センターという大きなショッピングモールやブラッドン（Braddon）というおしゃれなカフェなどお店が並ぶエリアがあります。
2023年、キャンベラ・センターにユニクロができました！
南側は国会議事堂や首相官邸などの主要政府機関、各国の大使館、国立博物館、国立図書館などが集まっています。
エインズリー山から撮影した写真。手前が北側の「シティ・ヒル」、奥が「キャピタル・ヒル」です。
直線を進み湖を越えた先にそびえ立つのが国会議事堂です。この写真からもブッシュ・キャピタルと言われるように緑が多いのが分かりますよね。
ちなみに、キャンベラとはアボリジニの言葉で「人が集まる場所」という意味だそうです。ステキ。
さいごに
キャンベラは、二大都市シドニーとメルボルンが首都をめぐって争った結果、誕生した首都でした。ちょっと誰かに話したくなるようなおもしろい歴史があります。
ぜひ、ちょっと変わった首都キャンベラに来てください！
＼こちらのガイドブックには「キャンベラ」のページがありますよ／
